矢島里佳『和える―aeru―』が起業女性に刺さる理由|自分らしいビジネスの本質をこの1冊に学ぶ
「和える」という言葉が、わたしの胸に刺さった日のこと
ある朝、いつものように本棚に手を伸ばして手に取った1冊の本が、わたしの起業観を大きく揺さぶりました。矢島里佳さんが書かれた『和える―aeru―』(早川書房)です。
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正直に言うと、最初はタイトルの意味がよくわからなかったんです。「和える(あえる)」って、サラダを和えるときの、あの「和える」ですよね。でも読み進めるうちに、その言葉に込められた深い哲学に、じわじわと心を掴まれていきました。
この記事では、わたし・佐藤みのりが『和える―aeru―』をどのように読み解き、自分の起業活動にどう活かしてきたかをお伝えしていきます。あなたがこれから起業を目指しているなら、あるいは起業したけれど「何かがズレている気がする」と感じているなら、ぜひ最後まで読んでみてください。
矢島里佳さんとは?──24歳で起業した「和」の伝道師
まず、著者である矢島里佳さんについて少しお話ししましょう。矢島さんは1988年生まれ。慶應義塾大学在学中に日本の伝統産業と子どもをつなぐ事業を着想し、2011年に株式会社「和える(aeru)」を設立された方です。当時24歳という若さでの起業でした。
「和える」というのは、日本の伝統産業が生み出す職人技の品々と、現代の子育て世代をそっと「和える(つなぎ合わせる)」という意味が込められています。伝統工芸の技術と現代の暮らしを無理なく融合させる、その発想がこのビジネスの核にあります。
矢島さんが注目されるのは、単に若い起業家というだけではありません。「何のために、誰のために、このビジネスをするのか」という問いを徹底的に掘り下げ、経済的な価値だけでなく文化的・社会的な価値を事業の軸に据えた生き方が、多くの女性起業家から共感を集めているんです。
『和える―aeru―』(早川書房)の内容と読みどころ
この本は単なる起業エッセイではなく、矢島さんが事業を立ち上げる過程で直面した葛藤、日本の伝統産業の現状、そして「本物の豊かさとは何か」という問いへの答えが丁寧に綴られた一冊です。
特にわたしが印象に残ったのは、以下の3つの視点です。
①「なぜやるのか」が事業の命綱になる
矢島さんは本の中でこう述べています(内容の趣旨より)。「ビジネスとして成立させるためには、まず自分の軸となる『なぜ』が必要だ」と。
これは、わたしが15年の起業活動の中で身をもって学んだことと完全に重なります。起業初期のわたしは「稼ぎたい」という気持ちだけを動機にしていた時期がありました。そのときのビジネスは、どれだけ頑張っても長続きしなかった。なぜなら、「なぜこれをやっているのか」という問いに答えられなかったから。
矢島さんが24歳で起業したとき、彼女の頭の中にあったのは「日本の伝統工芸を未来につなぎたい」という強い思いでした。その「なぜ」があったからこそ、資金も人脈もない状態から着実に事業を育てることができたのだと、この本を読んで改めて理解できました。
②伝統と現代を「和える」という革新の発想
「和える」というビジネスコンセプトは、実はとても高度な思考から生まれています。古いものをそのまま守るだけでも、新しいものだけを追いかけるのでもなく、両方を「和えて」新しい価値をつくる。この発想は、起業家としての思考の柔軟さを象徴しています。
あなたが「自分には特別なスキルがない」と感じているなら、一度立ち止まって考えてみてほしいことがあります。矢島さんは伝統工芸の職人でもなく、子育ての専門家でもありませんでした。でも、「伝統」と「現代の子育て」という一見接点のなかった二つの世界を「和える」ことで、誰も気づいていなかった市場を生み出したんです。
あなたが持っている経験や知識も、組み合わせ方次第でユニークな価値に変わる可能性があります。これは、引き寄せの法則でよく言われる「あなたにはもう全部ある」という考え方にも通じていますよね。
③社会課題と事業を切り離さない生き方
矢島さんのビジネスが多くの人に支持される理由の一つに、「社会的なミッションと経済的な持続可能性を両立させている」という点があります。ただ商品を売るのではなく、伝統産業の職人さんたちの技術を後世に残すという社会的な意義を事業の中心に置いている。
これはSDGsが注目される現代において、非常に先駆的な視点です。消費者が単なるモノの機能だけでなく、「この商品を買うことで何に貢献できるか」という文脈を求める時代になっているという流れを、矢島さんは早くから感じ取っていたのかもしれません。
わたしが「和える」から学んだ起業マインドの本質
この本を読んで、わたしは自分の起業活動を振り返るいい機会をもらいました。そしてあることに気づいたんです。
「稼ぎたい」という気持ちは大切です。でもそれだけでは、長期的に続けていくエネルギーが枯渇してしまう。矢島さんの事業が輝き続けているのは、彼女の中に揺るぎない「使命感」があるからだと思うんです。
わたし自身、起業して数年後にスランプを経験しました。売上は伸びているのに、なんか虚しい。毎月の数字を追いかけているだけで、何のためにやっているのかわからなくなった時期があったんです。そのとき手に取ったスピリチュアル系の本や、矢島さんのような社会起業家の話が、わたしを「なぜやるのか」という原点に引き戻してくれました。
内側を整えるということは、単にメンタルを整えることだけではなく、「自分がなぜこのビジネスをやっているのか」という使命の軸を整えることでもあるとわたしは考えています。
「和える」の視点で自分のビジネスを見直す3つの問い
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ここからは、『和える―aeru―』の世界観をヒントにして、あなた自身のビジネスや起業アイデアを深掘りするための問いを3つお伝えします。ノートとペンを手元に置いて、ぜひゆっくり向き合ってみてください。
問い①:あなたが「守りたい」と感じているものは何ですか?
矢島さんは「日本の伝統産業」を守りたかった。では、あなたが大切にしたいもの、後世に残したいもの、今の社会で失われつつある価値観は何でしょうか。それがビジネスの「なぜ」につながる可能性があります。
「特別なものなんて何もない」と思ってしまうかもしれません。でも大丈夫ですよ。それは「まだ言語化できていないだけ」であることがほとんどです。自分の日常の中で「もったいないな」「なくなったら寂しいな」と感じる瞬間を書き出してみるだけで、大切なヒントが浮かび上がってきます。
問い②:あなたが「和えられる」組み合わせは何ですか?
あなたの過去の経験・趣味・仕事・人間関係の中に、誰も組み合わせたことのない「和え方」は隠れていませんか。たとえば「事務の仕事の経験」と「ヨガへの興味」を和えたら、「働く女性のためのウェルビーイング事業」になるかもしれない。「読書好き」と「コーチングの学び」を和えたら、「読書と対話で自己探求するワークショップ」が生まれるかもしれない。
わたしの読者さんの中にも、自分の経験を「点」で見ていて、その組み合わせに気づいていない方がたくさんいます。「私には特別なスキルがない」という言葉の裏には、自分の経験を「線」や「面」で見られていないだけのことが多いです。
問い③:10年後も続けていられるビジョンがありますか?
短期的な収益は事業の酸素です。でも長期的なビジョンは事業の栄養素です。矢島さんが長期的に事業を育てられているのは、「日本の伝統を未来につなぐ」という10年・20年単位のビジョンを持っているからです。
あなたが思い描く「5年後・10年後の自分のビジネス」はどんな姿ですか?それが今の一歩と繋がっているとき、行動は自然と軽くなっていくはずです。
起業を迷うみのりの読者さんへ──「和える」という生き方のすすめ
「会社を辞めて起業したいけど、怖い」「自分には何もない気がして、一歩が踏み出せない」という声を、わたしはたくさん受け取ってきました。その気持ち、本当によくわかります。わたし自身も同じ道を歩いてきたから。
でも矢島里佳さんの『和える―aeru―』を読んで感じることは、「起業とは特別な才能のある人だけがやるもの」ではないということです。矢島さんも最初は、誰かに「すごいね」と言われる存在ではありませんでした。ただ、「これをやり続けたい」という内側の声に正直だっただけです。
わたしが起業当初に感じていた不安も、今あなたが感じている不安とほぼ同じでした。「失敗したらどうしよう」「本当に稼げるのかな」「もし無駄になったら」という声が頭の中でぐるぐるしていた。でもそのとき、わたしが信じ続けたのは「内側を整えれば、外側はついてくる」という感覚でした。
矢島さんの言葉でいえば、それは「なぜやるのかという軸を整えること」に近いと思います。外側のテクニックや方法論より先に、内側の「使命感」を育てること。それが自分らしい起業の出発点になるんです。
『和える―aeru―』を読んでほしい女性はこんな人
この本は特に、次のような方に強くおすすめしたいと思っています。
・起業したいけれど「何のために起業するのか」がまだはっきりしていない方
・自分のビジネスに「社会的な意味」を持たせたいと思っている方
・「稼ぐこと」と「好きなこと」が結びつかないと感じている方
・日本文化・伝統・地域などをテーマにしたビジネスに興味がある方
・若くして起業した女性のリアルな思考プロセスを知りたい方
特にビジネス書というよりは、矢島さんの生き方に触れるような読み心地があるので、難しいビジネス理論が苦手な方にも読みやすい一冊です。
内側の声を聴くことが、外側の豊かさへとつながる
わたしがこの本を通じて改めて感じたのは、「整った内側が、豊かな外側を引き寄せる」というわたしの核心的な信念を、矢島さんが実際のビジネスで体現していたということです。
スピリチュアルな視点からいえば、矢島さんが日本の伝統産業に感じた「胸が熱くなる感覚」は、まさに魂の声だったのではないかとわたしは感じています。その声に素直に従って行動した結果が、今の「和える(aeru)」という事業になっている。
あなたの中にも、そういう「胸が熱くなる何か」が必ずあります。それを見つけるために、この本を一つのきっかけにしてみてほしいんです。
大丈夫、あなたにはもう全部ある。ただ、それに気づく時間と空間が必要なだけです。
今日から始められる小さな一歩
最後に、この記事を読んだあなたに実践してほしい小さなアクションをお伝えします。
まず、『和える―aeru―』を手に取ってみてください。難しい本ではないので、週末のカフェでゆっくり読める分量です。読みながら、「自分が守りたいもの」「自分が和えられる組み合わせ」を手元のノートに書き出してみてください。
そのたった一つの行動が、あなたの起業の「なぜ」を育てる最初の種まきになります。種を蒔かなければ、花は咲きません。でも種さえ蒔けば、あとは時間が育ててくれる部分も必ずあります。
わたしもこの本を何度も読み返すたびに、新しい気づきをもらっています。読書というのは不思議で、自分の状態によって同じ本から受け取るメッセージが変わるんです。だからこそ、1000冊以上の本を読んできた中でも、繰り返し手に取りたくなる本というのが存在します。『和える―aeru―』は、わたしにとってそういう一冊です。
あなたの人生は、あなたが一番の主人公です。その物語の次のページをめくる勇気を、この本がそっと後押ししてくれることを願っています。
いつでもここにいますよ。一緒に歩んでいきましょう。
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