「わたしには何もない」と思っていたあの頃のこと

正直に言うと、わたしにも「自分には特別なスキルも実績もない」と本気で信じていた時期があります。

日本の女性起業家のキャリア形成――69人のライフヒストリーが教えてくれたこと日本の女性起業家のキャリア形成――69人のライフヒストリーが教えてくれたことを詳しく知りたい方はこちら(#PR)

起業前のわたしは、副業も失敗して、自信をすっかりなくしていました。書店に並ぶビジネス書を読んでは「これは私には難しい」と棚に戻す日々。そんなとき、出会った一冊の本が、わたしの視点をがらりと変えてくれたんです。

今日ご紹介したいのは、李侖姫(イ・ユンヒ)さんが著した学術研究書『日本の女性起業家のキャリア形成――69人のライフヒストリーが教えてくれたこと』です。

「学術書か…難しそう」と思ったあなた、大丈夫ですよ。この本が伝えてくれることは、データや理論の奥に、リアルな女性たちの人生そのものが詰まっているんです。そしてその言葉ひとつひとつが、起業に迷う女性の背中をそっと押してくれる力を持っています。

李侖姫さんとは?この研究書の背景を知ろう

李侖姫さんは、ジェンダーとキャリア研究を専門とする研究者です。この著書では、実際に日本で起業した女性69人に対してライフヒストリー・インタビューという手法でアプローチし、彼女たちがどのようなキャリアを歩んできたのか、なぜ起業を選んだのか、そしてどんな壁を乗り越えてきたのかを丁寧に掘り起こしています。

ライフヒストリーとは、個人の人生経験を時系列に沿って語ってもらう質的研究の手法です。数字や統計では見えてこない「生きた声」を拾い上げることができる点が、この研究の大きな強みと言えます。

69人という数は、質的研究としてはかなりの規模です。それだけ多様な背景を持つ女性たちの声が収録されているということは、読む人が「自分と似た誰か」を必ず見つけられる可能性が高いということでもあります。

69人のライフヒストリーが明かした、女性起業家の共通点とは

この研究が明らかにしたことのひとつは、女性が起業を決意するまでの道のりが、決して一直線ではないということです。

多くの女性起業家が、結婚・出産・介護・転職・失業といった人生の転機を経て起業を選んでいます。つまり、「ずっと起業家を目指していた」というよりも、「生きてきた中で自然に起業という選択肢が生まれた」という人がとても多い。

これはわたし自身の経験とも重なります。最初から「起業家になろう」と決めていたわけではなく、働き方への疑問や、誰かの役に立ちたいという気持ちが積み重なって、気づいたら起業という道を歩んでいたんです。

また、研究の中では「女性のキャリアは断絶と再構築の繰り返しである」という視点も示されています。これは非常に重要な指摘です。男性の直線的なキャリア観に合わせて自分を評価していると、「わたしは遠回りしてきた」「キャリアに空白がある」と感じてしまいがちです。でも実は、その「遠回り」こそが、女性起業家の強みになっていることが多いのです。

「遠回りしてきた人ほど強い」その理由

みのりの読者さんの中にも、「わたしは新卒から一つの会社に勤め続けてきただけで、起業に活かせる経験なんてない」と感じている方がいるかもしれません。

でも、李さんの研究が教えてくれることは、そのような「普通の会社員経験」の中にこそ、起業の種が眠っているということです。

たとえば、事務職として10年働いてきた女性が、職場で感じてきた「もっとこうすればいいのに」という小さな気づきの積み重ねが、起業後のサービス設計に直結することがあります。顧客対応、コミュニケーション、スケジュール管理……これらはすべて、起業家として必要なスキルです。

「スペシャルなスキルがない」のではなく、「まだそのスキルに気づいていない」だけかもしれない。この視点の転換が、起業への第一歩を大きく変えてくれると、わたしは15年間の起業経験を通じて感じています。

この本が教えてくれる「起業の動機」の多様性

69人のライフヒストリーを読み解いていくと、起業の動機がいかに多様であるかがわかります。

・「子どもが生まれて、今の働き方では続けられないと気づいた」
・「得意なことを活かして、誰かの役に立ちたかった」
・「会社員のままでは自分の意見が通らない環境にストレスを感じていた」
・「ライフステージが変わり、自分のペースで働きたくなった」

これらはどれも、「大きな野望」や「特別な才能」がきっかけではありません。日常の中にある、等身大の気持ちから起業が始まっているんです。

あなたが今感じている「このままでいいのかな」という漠然とした違和感。それこそが、起業への扉を開く最初のノックかもしれません。

日本の女性起業家を取り巻く現実――データで見る構造的課題

この研究書のもう一つの大きな貢献は、個人の物語を語るだけでなく、社会構造の問題にも切り込んでいる点です。

中小企業庁のデータによると、日本の起業家全体に占める女性の割合は25〜30%程度とされており、欧米と比較するとまだ低い水準にあります。その背景には、家事・育児の負担が女性に偏りやすい社会構造や、金融機関からの融資を受けにくいという現実、そして「女性が起業するなんて」という周囲の無言のプレッシャーがあることが、この研究の中でも語られています。

李さんの研究はこれらを「個人の問題」ではなく「社会的・構造的な課題」として捉えています。つまり、起業できていないのはあなたの能力や根性の問題ではなく、環境や構造の問題でもあるということ。

この視点は、わたしにとってとても救いになりました。「なぜわたしはうまくいかないんだろう」と自分を責めていたとき、外側にある構造的な障壁の存在を知ることで、「わたしだけじゃないんだ」と少し肩の力が抜けたんです。

ライフヒストリー研究から学ぶ「内側の声を聴くこと」の大切さ

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わたしがこの研究書で特に印象に残っているのは、多くの女性起業家が「自分の内側の声に従ったとき、キャリアが動き出した」と語っている場面です。

外側の条件(資金・スキル・タイミング)が整ってから動いた人よりも、「これをやりたい」という内側の確信を持って動き出した人のほうが、長期的に事業を続けられているという傾向が読み取れます。

これはわたしが日々お伝えしている「内側を整えれば、外側はついてくる」という考え方とも深く共鳴します。スピリチュアルな話に聞こえるかもしれませんが、これは研究データからも支持される視点なんです。

もちろん、内側の声だけに頼って行動計画を立てないのは危険です。魂の声を聴きつつ、具体的な一歩を踏み出す設計をすること。この両輪があってはじめて、自分らしい起業が実現していきます。

「失敗した経験」が実は最大の資産である理由

69人の中には、過去に失業や事業の失敗、離婚など、さまざまな「挫折」を経験した女性たちも多く登場します。

しかし、彼女たちは口をそろえてこう言います。「あの経験があったから、今の自分がある」と。

わたし自身も、起業初期に副業で失敗した経験があります。当時は本当に辛くて、「やっぱり自分には無理だったんだ」と思いました。でも今振り返ると、あの失敗がなければ、今のわたしはいなかった。失敗は「終わり」ではなく「次の地図」だったんです。

アフィリエイトブログに取り組んで収益がゼロだったとき、もう起業は諦めようと思った方もいるかもしれません。でも、その経験から「自分は何が得意で、何が向いていないか」を学んだとしたら、それは大きな財産です。失敗は消えるものではなく、あなたの中に蓄積されていく「知恵の原石」なんです。

この本を読んで欲しい3つのタイプの女性

『日本の女性起業家のキャリア形成』は、特に次のような方に手に取ってほしい一冊です。

①「私には起業できる理由がない」と感じている女性
特別なスキルや実績がなくても起業した女性たちのリアルな声が、その思い込みをゆっくりほぐしてくれます。

②「遠回りしてきた自分のキャリアに自信が持てない」女性
断絶と再構築を繰り返してきたからこそ、豊かなキャリア資産があるということを、研究が証明してくれています。

③「なぜ自分は起業したいのか、まだわからない」女性
69人の動機の多様性に触れることで、「こんな理由でもいいんだ」という許可を自分に出せるようになります。

学術書だからこそ信頼できる、その理由

巷には女性起業家の成功体験談が溢れています。もちろんそれも大切な情報ですが、「この人は特別だったんじゃないかな」と少し距離を感じてしまうこともありますよね。

その点、李侖姫さんの研究書は、69人という多様なサンプルを丁寧に分析した学術研究です。一人の成功談ではなく、多くの女性の共通項と差異を客観的に整理しているため、「再現性」という視点から非常に信頼度が高い内容と言えます。

感情に動かされるだけでなく、「なぜそうなるのか」という論理的な裏付けも欲しいと感じているあなたにとって、この本はとても頼もしい一冊になるはずです。

わたしが読んで感じた「一番の気づき」

この研究書を読んで、わたしが一番胸に刺さったのは、「女性のキャリアは、社会の変化と個人の変化が交差する場所で形成される」という視点です。

つまり、「自分だけの問題」として起業の難しさを抱え込む必要はないということ。社会の構造や時代の流れも含めて、あなたの今がある。その文脈を知ることで、自己嫌悪ではなく「だから次はこう動こう」という前向きなエネルギーに変換できるんです。

大丈夫、あなたにはもう全部ある。ただ、それに気づくための「鏡」が必要なだけ。この本は、あなた自身の可能性を映し出してくれる、そんな一冊だとわたしは感じています。

読んだ後に試してほしい「小さな行動ステップ」

本を読んで終わりにするのではなく、ぜひ次の一歩に繋げてほしいと思います。みのりの読者さんへ、具体的なアクションをご提案しますね。

ステップ①:自分のライフヒストリーを書き出してみる
A4の紙一枚でいいです。これまでの仕事・経験・転機・感じてきた違和感を時系列で書いてみてください。「点」だった出来事が「線」として繋がって見えてきます。これが、あなた自身の起業の種を発見する第一歩です。

ステップ②:「なぜ起業したいのか」を3つ書き出す
お金・自由・承認・貢献・好奇心……どんな理由でも構いません。「こんな理由じゃダメかな」という検閲をいったん外して、正直な気持ちを書いてみましょう。

ステップ③:自分と似た起業家の物語を一つ探す
本の中でも、SNSでも。「この人は自分に似ているかも」と感じる起業家のストーリーを一つ見つけて、その人がどんな最初の一歩を踏み出したかを調べてみてください。再現性のある一歩が見えてきます。

最後に――あなたの人生は、あなたが一番の主人公です

李侖姫さんの研究が教えてくれる最も大切なことは、「女性起業家には一つの正解ルートなんてない」ということだと思います。

遠回りしてきた人も、失敗を経験した人も、特別なスキルがないと感じている人も。69人の女性たちは、それぞれの等身大の人生の中から、自分らしい起業の道を見つけていきました。

あなたも、必ずその道を歩めます。必要なのは「完璧な準備」ではなく、「内側の声に正直であること」と「小さな一歩を踏み出す勇気」だけ。

内側を整えれば、外側はついてくる。わたしはそれを信じて、これからもあなたの隣を歩いていきたいと思っています。

あなたの人生は、あなたが一番の主人公です。

今日も読んでくれてありがとう。あなたのことを応援しています。

― 佐藤 みのり

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